梅と花

日本の花の代表格といえば、桜を指すのが一般的となっていますが、その昔万葉集に歌われていた頃は、花といえば梅でした。
平安時代、紫宸殿の庭に植えられていた梅が火災で焼け、村上天皇が代わりに桜を植えた頃から、日本の花は梅から桜に代わっていったようです。

しかしそんな今でも、花といえば梅という地方があります。紀州みなべ、日本一の梅の産地です。毎年二月になると、なだらかな山々に見渡すかぎりの梅の花が広がります。ほのかな香りがあたり一面にただよい、心まで軽やかな気分です。みなべの里はこうして春が訪れ、やがて青梅の実りの時期を迎えます。

 

梅と梅雨

四季の国、日本では、毎年六月十日前後から特有の雨期に入ります。いわゆる梅雨の時期。ちょうど梅の実は熟す頃に降る雨ということで、「梅の雨」と書いて梅雨といわれるようになったそうです。

日本一の梅林が広がる和歌山県みなべの里でも、毎年この頃になると青梅が豊かに実ります。やがて、梅の実が黄色く色づく頃、長年の経験を積んだつくり手が、完熟し自然に落下した梅を下に張ったネットでやさしく受けとめ集めます。こうした丁寧な作業が、おいしい梅をもっとおいしくしているかもしれません。

 

梅と太陽

暑い日が続く七月の土用の頃、梅干しづくりに欠かせない行程を迎えます。
梅が太陽の恵みを受ける、土用干し。昔から「三日三晩の土用干し」といわれ、塩漬けは終わった梅をせいろに並べ、三~四日間屋外で干す作業です。
太陽の熱と夜霧を交互にあてることで、果肉をやわらかく、風味豊かに。

また、太陽の強い熱で殺菌し、余分な水分を蒸発させて保存性を高める効果もあります。途中で数回、人の手で一粒一粒裏返すため、時間と手間のかかる大変な作業です。梅干とはその名の通り、梅の塩漬けや赤じそ漬けを干したもの。この土用干しがなければ、梅干しとは言えないのです。

 

梅と時間

梅干しづくりに焦りは禁物です。時間と手間をかけてこそ、おいしい梅干しが出来上がります。 その集大成といえるのが、最後に梅干しを熟成させる行程。
樽のなかに入れて梅干し蔵に置き、一ヶ月もの間寝かせるのです。この期間を設けなくても充分においしい梅干しはできているのですが、これによって味がしっかりと馴染み、品質も高くなります。

そう言えば、梅干が五十年でも百年でも長持ちすることはご存知でしょうか。
まるでワインや洋酒のように古いものをじっくりと味わうのも、梅干しの楽しみ方のひとつなのです。

 

梅と風邪

梅干しが様々な病気に効果があることは、その昔から伝承されてきました。
今日、それは科学的に証明されており、先祖の深い知恵には感心するばかりです。
この民間薬の最たるものが、「梅干しの黒焼き」。熱・せき・鼻づまり・のどの痛みなど、風邪のあらゆる症状に効果があると言われています。

作り方は簡単。まず、梅干しをアルミホイルで二重に包み、焼き網にのせます。そして弱火で約一時間ときどき回しながら全体をむらなく焼けば出来上がり。これを茶碗に入れて熱湯を注ぎ、くずしながら飲みます。生活に根ざした梅干しの利用法。梅干しって、やはり家庭には欠かせないものですね

 

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